Recently updated on 8月 18th, 2022
受動態から能動態へ
前回お話したとおり、「~れる、~られる」は、動詞の受動態です。つまり、「好かれる」は「好き」、「変に思われたくない」は「変に思わない」の受動態です。
これを能動態にすると、「周りの人は私を好き」「周りの人は私を変に思わない」ということで、主語が「周りの人」となります。
それに、自分の願望がくっついているので、自分を主語にすると
「私は周りの人が私を好きになってほしい」
「私は周りの人が私を変に思って欲しくない」
ということですね。
他人から自分へ
さて、この言葉を聞いて、あなたはどのように感じましたか?
周りの人が誰を好きでも嫌いでも、変に思っても思わなくても自由だと思いませんか?
私のことを好きな人もいれば、変に思う人もいる。これを受け入れないというのは、なんと自分勝手でわがままな感じだと思いませんか?まるで、自分が支配する国を、自分の法律で縛った世界にいるような振る舞いです。
そうなんです。バーンの言うとおり、「他人は変えられない」のです。
他人を変えようとするのは、相手を自分のコントロール下に置こうとする「支配欲」なのです。こういう傾向を持つ方は、ご自身でも誰かの支配下に置かれているように感じている方が多いと思います。「誰のことも好きでなければいけない」「誰のことも変に思ってはいけない」と考えるのは、ご自身がそう思われたいからなのです。
では、「人に好かれたい」と思うとき、どうすればよいのでしょうか?
変えられるもの、それは「自分」です。
まずは、「相手を変えようとしない」。相手がどのように思っていてもそれを受け入れる。
私のことを好きでなくても受け入れる。私のことを変だと思っていても受け入れる。
その時、あなたはもはや受動態から能動態へ変化しています。「私はあなたを受け入れる」という能動的な行動だからです。
そんな勇気を持つことこそ、まずは状況を打破する一番の「自分を変える」方法なのではないでしょうか?
人から好かれる具体的な方法を、「自分を変える」という観点から、次回「逆説的な考え方」でさらに考えてみます。