人間関係を良くする「名脇役」

Recently updated on 8月 18th, 2022

人生の主役はあなた?

yowatari_jouzu[1]

「人生の主役はあなた自身です」

啓発本などでは、このように主体的かつ能動的な言動を推奨していることが多く見受けられます。
自分の人生は自分が主体的に活動して、自分の望むような人生を手に入れる、確かに自分で目標を設定し、自ら動く・・・
これをやらないと何事も前に進みません。

しかし、自分だけがどんなに効率的に活動的に動いても、うまく行かないというのが現実です。
なぜなら、私たちは自分1人で生きているわけではないからです。

目次

「脇役」を意識してみる

自分の人生は自分が主役であるならば、誰が脇役となるのでしょう。
この世に生きている全員が主役では、脇役は誰もいないことになります。
「人生の主役は自分」というのは、当然主観的な話であり、「脇役が誰もいない」なんて言うのは屁理屈だと思うかもしれません。
しかし、この「脇役」を意識的に行うということは、いくつかのメリットがあるのです。

①客観的に状況を把握できる

主体的にばかり物事を見ていると、周りの状況を読み違えることがあります。
人間にはそもそも楽観思考があり、自分にとって事態は好転する、自分に不幸は起こらない、という潜在的な錯覚があります。(これを心理学ではポジティブ・イリュージョンと言います。)
よって、状況が絶望的な状況にあっても「まだ大丈夫」などと楽観視してしまう場合があるのです。

②人の気持ちを考えられる

自分が脇役である場合、主役である他人(友人や家族など)を支えていこうという気持ちになります。
そうなると必然的に主役である他人が「何をしたいのか」「何を考えているのか」を想像しなくてはいけません。
このことから、自分とは違った発想、視点を持つことができるのです。

③信頼を勝ち得る

①の客観性や②の他者共感は、人の信頼を獲得するのにもっとも有効な方法です。
これらを目に見える形で実践することで、周りからの信頼度が増していくことになります。

「主役=自分」の弊害とは

また、「自分が主役」という考え方に固執すると、いくつかの弊害もあります。
例えば、小説やアニメ、成功体験談などでは、「主役」は必ず成功します。
「脇役」たちが皆こぞって「主役」に協力し、主役は時にわがままな振る舞いでさえ、英雄的な扱いです。
つまり、「主役」の思い通りにストーリーは進みます。
こんなことは、現実では起こりえないのです。

「自分は主役だ」と固執することで、現実とのギャップを受け入れられずに、自分の努力だけでは本来うまくいく訳がない場合でも、うまく行かないと「自分の努力不足・能力不足」と勘違いし、落ち込んでしまう原因ともなるのです。

「自分は人生の主役である」とともに「誰か他人の脇役である」ということを忘れずに過ごしていけば、周りとの人間関係もよくなるでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次