心の病の症状を解説します

Recently updated on 8月 18th, 2022

今回は代表的な精神疾患の病名と特徴についてお話します。
精神疾患とは、先天的或いは後天的(事故など)に、脳に支障が生じ、正常に機能できない疾病です。
ここでは、代表的な疾病と症状について簡単に紹介します。

統合失調症

「誰かにずっと見られている」などの妄想
「どこからか誰かの声が聴こえる」といった幻聴があります。
思考回路に支障をきたし、落ち着きがなくなったり、感情が不安定になることがあります。
かつて、精神分裂症と呼ばれていました。
薬によって、その症状は抑えられますが、その原因は脳機能障害説が出ているものの不明な点も多いです。

また、遺伝や環境により発症しやすくなるという説もあります。
世界保健機関(WHO)の調査では一般人口の約1%の方が発病すると言われているので、100人に1人近くいることになります。
学校のクラス、社内にも患者がいて不思議な数字ではありませんね。
男性では10代後半、女性では20代中盤のときに発症するケースが多いです。

 

躁うつ病(双極性障害)

脳が興奮状態にあり、気が大きくなって通常では考えられない金額の買い物を衝動的にしてしまったり、頭が昼夜関係なく回転して眠れなくなったりする躁状態
何もやる気が起きなくなり、物事を否定的にとらえてしまううつ状態
この2つを繰り返します。

うつ状態のときに通院するとうつ病と勘違いされたり、誤診も多いです。
ただ、抗うつ剤を服用すると悪化することもあるため、注意が必要です。
現在は光トポグラフィ検査という血流の変化でうつ病、躁うつ病の診断も可能ですが、100%ではありませんし、25%程度は判定不能となり、根拠ある診断が可能な体制が求められています。

うつ病は100人に5人、一方、躁うつ病は100人に1人が発症すると言われています。
男女ともに20代後半にかかりやすいです。(うつ病は中高年の女性が特に多いのが違い)
米国での調査では躁うつ病発症の割合がうつ病に近付いてきており、稀な病気ではなくなっています。
やけにハイになったり、沈んだりする場合は医療機関の受診あるいはカウンセリングをお勧めします。

神経症

「鍵をかけたかどうかが気になり、何度も確認する
「手が汚れている気がして仕方なく、何度も手を洗わないと気が済まなくなる
そうした強迫観念を持ち、その行動が生活に支障をきたしてしまう場合(強迫神経症)
狭い場所や高いところなどが怖いと感じ、過呼吸や心拍数が上がったりしてしまう(恐怖症)
病気や健康に対する過度のとらわれから、病院巡りを繰り返す(心気症)
漠然とした不安で動悸や過呼吸に陥る(パニック障害を含む不安神経症)

治療は投薬以外に不安という心理の存在を認めながら、そこに目を向けるのではなく、現在とこれからに目を向けていくという精神療法的なことでも可能です。

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では何をするといいのか?

もちろん、上記の症状が当てはまるからといって、精神疾患とは限りません。

日常生活の中で、激しい落ち込みなどは時に経験するものです。
しかし、その落ち込みがなんらのきっかけとなり、脳への障害を引き起こす可能性も否定できません。
昔に比べて、精神病院を受診することに、周りも本人も偏見や抵抗が少しはなくなってきたように思います。

周りから「少し様子がおかしいよ」と言われたり、自分でも「落ち込みが激しい」と感じるなどの自覚症状があったら、一度受診してみてください。
それでも、受診するには、気持ち的に抵抗があるようであれば、まずは、心理カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか?

カウンセラーは診察・診断することはできませんが、カウンセリングで気分の落ち込みが減退し、改善するかもしれませんし、重症な場合は、ご本人とご相談の上、受診をお勧めすることもできます。
あなたの周りにいる方で、上記のような症状で苦しんでいるような方がいらっしゃったら、『少し様子が変わったんじゃないかな?』と伝えてみてください。
そして、誰かに相談することで、問題が解決する場合があることを、教えてあげてください。

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